マイナス10歳ウォーキングレッスンについて


マイナス10歳ウォーキングレッスンとは?

マイナス10歳ウォーキングレッスンは歩くという根本を改善するためのレッスンです。現在の日本人の平均寿命と健康寿命の差は男性:8.73歳そして女性:12.06歳です※1。健康寿命延伸のためいつまでも歩けるためにマイナス10歳ウォーキングレッスンを発案しました。マイナス10歳ウォーキングレッスンのポイントは「転倒未然防止」です。転倒の力を使って歩く従来の歩き方ではなく、自分の足を使って歩く歩き方を伝えています。

平均寿命と健康寿命の差について 姿勢改善・歩き方改善ラボ【㈱n-position】骨盤コントロール補助器「ニュートラル」開発会社


ヒトはなぜふらつくのか?

ヒトがどのように歩いているのか考えたことはありますか?そして高齢になるとなぜふらつきや転倒をするのが多くなるのでしょうか?当社では「歩くとは物が移動する(倒れる)と同じ」という、これまでの研究で報告された事実から考え始めました。

物が倒れるメカニズムについて 姿勢改善・歩き方改善ラボ【㈱n-position】骨盤コントロール補助器「ニュートラル」開発会社

物が安定しているときは重さを支えている面(支持基底面という)に重心が入っており倒れることはありません。しかし重心が支持基底面の端になると不安定になります。そして重心が支持基底面を外れると倒れます(転倒)。

ではヒトの場合はどの様になるのでしょうか?そもそも「ヒトは不安定で転倒しやすい生き物※2といわれています。その理由は重心位置が高いということと支持基底面が小さいからです(ヒトにおける支持基底面は両足底とその間の部分を合わせた面積。よって両足の間隔を広げれば支持基底面は大きくなる)。なぜそのようなことが起こるのか?それは私たちが住んでいる地球にある「重力」が影響しています。(※重力は姿勢を歪ませる要因とも言われています※3)。

ヒトの支持基底面と重心について 姿勢改善・歩き方改善ラボ【㈱n-position】骨盤コントロール補助器「ニュートラル」開発会社


ヒトはどうやって歩いているのか?

これまでの研究からヒトの歩き方に対して次の報告があります。「地面の上に立っている体が前へと進むことは地面に足が接触して力がかかっているところよりも前方に体全体の重心を倒すことによって初めて可能になる※4。つまり歩き始めるには安定した状態から重心を進行歩行に倒している訳です。当社では自ら不安定を作って歩いていると考えています。

ヒトの歩行における支持基底面と重心の関係について 姿勢改善・歩き方改善ラボ【㈱n-position】骨盤コントロール補助器「ニュートラル」開発会社

マイナス10歳ウォーキングとは?

マイナス10歳ウォーキングは「安定に歩く」です。安定に歩くには重心位置をなるべく支持基底面から外さないように歩きます。物であれば動きません。しかしヒトは前に進むことができる機能を有しています。それは「下肢三頭筋(ふくらはぎ)です。ふくらはぎは第2の心臓とも言われています※5。ふくらはぎは足首の動き(底屈:足首を伸ばす)と連動しており足首を伸ばせばふくらはぎは縮み、足首を曲げればふくらはぎは伸びます。体を前に進めるにはふくらはぎを縮める、つまり足首を伸ばすことで進みます。ごく当たり前に聞こえる歩き方ですが、残念ながら現在の多くのヒトがそのような歩き方をしていません※6。マイナス10歳ウォーキングとはどんな方にも安定を意識して歩くことができるのが特徴のウォーキングメソッドです。

マイナス10歳ウォーキングレッスンの歩行における支持基底面と重心の関係について 姿勢改善・歩き方改善ラボ【㈱n-position】骨盤コントロール補助器「ニュートラル」開発会社


参考文献

※1厚生労働省. 令和元年値について.
※2跡見順子. 身体の「メカニズム」を解明する「重力」というキーワードの有効性とその背景. 日本スポーツリハビリテーション学会誌. 2013, 2, p.1-13.

※3内田一平, 森川友子. 姿勢とストレスコーピングとの関係. 九州産業大学国際文化学部紀要. 2014, 57, p.127-140.

※4Brenière Y, Cuong Do M & Bouisset S. Are dynamic phenomena prior to stepping essential to walking? Journal of Motor Behavior. 1987, 19(1) ,p.62-76.

※5平澤泰介, 木村篤史, 小西倫太郎. 健康寿命の延伸と運動の効果. 京都在宅リハビリテーション研究会誌 . 2019, 12, p.1-6.
※6佐藤 貴徳, 工藤 慎太郎. 歩行開始時における下腿三頭筋の収縮動態. 理学療法科学. 2016, 31(3), p.377-380.